「質問型会話テクニック」大全

                         高橋 フミアキ 著 

 サブタイトルに“教えるより気づかせる”“「伸びない人」には理由がある”“言葉の時限爆弾を心にしかける”“ミルトン・エリクソンの心理療法”など魅力的な言葉が並んでいる。

 コーチングは教育や指導ではないので教えるということはありません。すべてはクライアントの気づきにかかっているといってもいいかもしれません。セッションの間にできるだけ種をまいていきます。種をまく方法は色々ありますが、ミルトン・エリクソンの名前は他の本でも見たことがあり興味がありました。

 パート1では社会で生きている限り、必ずお目にかかる人間の特徴に対して、どういう質問をするか具体例を示してくれています。勿論、そのシチュエーション通りということはないので応用する必要はあります。すでにコーチングで使っているテクニックもありましたが、知らなかったものもあったので使ってみようと思います。

<はじめに>

気づきとは本人が自分の心の中を言語化すること→ミルトン・エリクソンの心理療法の特徴の一つ→ヒプノセラピー(催眠療法)

<パートⅠ> 教えるより気づかせる24の質問型会話テクニック

相手をリラックスさせる☚これはコーチングでも重要で信頼関係を結ぶ前提になる

01 愚痴が多い人

愚痴は心理的毒→学びの視点を考える=メタ・テレオロジー=自分の目的に気づかせる

02 同じ話題を何度も繰り返して話す人

拒否や無視ではなく話題を変える→注意そらし

03 不安でいっぱいになっている人

相手を否定する言葉はNG→背中を押す=共感、逆転の発想、あるものにフォーカス、結果ではなくプロセスを指示する

04 何を話しかけても前向きに反応しない人

人間性を分析されていると感じさせないようにする→相手の言葉を繰り返す

05 すぐに感情的になって怒りだす人

相手の思い込みを頭ごなしに否定しない→受け入れて質問する

06 遅刻しても平気な顔をしている人

自分の気持ちをそのまま伝えればいいわけではない→パターン介入1=どんなパターンで問題を起こすのかを探り、相手が受け入れてくれそうなちょっとした変化をお願いする

07 迷惑な癖なのに開き直っている

嫌なことは嫌と言える関係の落とし穴→パターン介入2

08嫌味や皮肉な言葉をよく使う人

相手がいいえと答えてしまう質問をする→ノーセット

09 何をやってもダメだと決めつける人

頑張れと励まして追い込まない→スプリッティング=相手の思い込みを分離させる(ダメなところと良いところを訊く)

10 優柔不断で決められない人

決断すると喜ばれる経験を増やす→選択肢の錯覚=二つの選択肢を与える質問をすることで気づかせる

11 やってもらえるのは当然と思い違いしている人

問題行動と結末をリンクさせる→リンキング=相手が絶対に避けたいと思っていることと現在やっていることをリンクさせる

12 相手のために忠告していると勘違いしている人

論破できても遺恨が残る→言語的リンキング=ある体験や行動と別の体験や行動を結び付ける言葉を使う(例:顔をみて、リラックスする、今がどんな時間かを思い出す)

13 素直に自分の気持ちを伝えようとしない人

してほしいことでも強制されていると感じさせてはいけない→抵抗のアンカリング=相手の抵抗を否定したりせず、場所や時間や対象物を限定させることで気づかせる

14 口ばっかりで行動しない人

期待心から説教にならないようにする→パラレル(平行)コミュニケーション=イメージや寓話、絵図などを使って間接的な言葉を提供する

15 ありがとうを言わない人

外から口うるさく説教されると反発したくなる→メタファーを使う=暗喩、隠喩=的を得たたとえ話を相手の無意識の世界に響く

16自分が信頼関係を壊していることに気づかない人

相手の中に変化の種を植える→アナロジーを使う=類推、比類、比論=似たものを見つける

17 いつも否定的なことしか言わない人

自己評価を高める言葉をくりかえす→いい暗示をかける=相手が多少そう思っている言葉をくりかえし、相手の心に刺さる言葉を見つける

18これくらいはいいだろうと思っている人

相手を前向きな気持ちにさせられるように質問する→前提の質問(できていないことをできているのは何故か訊く)

19 口を開けば自分のことばかりしゃべっている人

いくつかの選択肢を提案する→ダブルバインド=こうすれば直るでしょう、こうしなくても直るでしょうという種類のコミュニケーション

20 いつも上から目線で話す人

相手の心理を言い当てても何の解決にもならない→リフレーミング=ある事実に新しい意味を結び付ける

21 態度が横柄で虚勢を張る人

曖昧な言葉で相手を混乱させて反応を見る→混乱させる=混乱から何かの秩序生み出そうとすると頭で考えるようになり気づきを得る

22 母親から自立できていない人

自分のことは自分で決めると暗示にかける→指示的アプローチ

23 いつまでも過去を蒸し返している人

複数の選択肢を提供し、感情は数値化してみる→マルティプルチョイス

24 ストレスを処理できず八つ当たりする人

話題を変えるのが得策→マジックワンド(魔法の杖)クエスチョン

パートⅡ 人間関係をよくする7つの「言葉の習慣」

①否定しない

②ジャッジしない→どんなことにもプラスとマイナスの両面がある→プラスの面に光を

③ありがとうを口癖にする

④愛を伝える言葉を見つける

⑤相手の喜びのツボを見つける

 「最近何かいいことはありましたか?」「おすすめの映画や本はなんですか?」

 「最近のマイブームや夢中になっていることは何ですか?」

⑥相手のやる気スイッチを見つける

 (1)他人依存タイプ→「いつも気にかけているよ」を感じさせる

 (2)自主独立タイプ→「任せるから、一人でやってごらん」

 (3)目標達成タイプ→未来の夢の話をしっかり聞いてあげる

 (4)リスク回避タイプ→過去の失敗などを分析するのが得意

            「どんなリスクがあると思う?」「改善するとしたら何ができる」

⑦自分の質問力を高める☚コーチングでも同じ

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