奇跡の脳

著者はジル・ボルト・テイラーさん。脳の専門家が37歳という若さで脳卒中になり、一命をとりとめたものの左脳の機能が著しく損傷した経験と8年をかけて回復した経緯が綴られています。臨死体験といってもいいのかもしれません。

脳梗塞が起こった時の状況を脳科学者の視点から記載されています。左脳機能を失ったため右脳で自分のおかれた環境に対処することになり、これまでとは全く違う感覚になったそうです。左脳機能を失くしたことによる喪失感とともに右脳機能の魅力的な感覚が書かれています。

健康な状態では左右の脳が別々の機能を持っていても一つの脳として意識されているのでその違いを感じることはありません。しかし、実はかなり違うのだということがよくわかる内容になっています。

ずいぶん前に「右脳革命」という本を読んだことを思い出しました。確か想像力活性化のためには右脳をもっと積極的に活用することが勧められていたていたように思います。

社会生活を送るうえでは左脳は必要不可欠ではありますが、芸術とかインスピレーションといった能力は右脳のほうが得意なのかもしれません。

また、脳には番地が120ほどあって、それぞれ機能が異なるということ聞いたことがあります。そして、その連携が大事だと言われていますが、左脳が機能不全に陥った場合は他の番地の脳が代行できるようになることもあるようです。

脳は人間の肉体の中で最も謎の多い器官であり、人それぞれ顔が違うように脳も異なっているのだろうと考えています。そして、本書のような稀なことも起こりうるのだと思うと脳に対する興味がまた湧いています。

左右の脳の違いを認識してそのバランスをとるということが重要なのかなと個人的には思いました。

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