静かな人の戦略書 騒がしすぎる世界で内向型が静かな力を発揮する方法

                      ジル・チャン 著 神崎朗子 訳

 内向型か外向型かの質問で私は内向型に分類された。予想通りではある。そして、書いてある内容に思い当たることもけっこうあるが、年齢とともにいろいろな経験を積むなかで段々内向型の特徴は薄れてきたように思う。面の皮が厚くなったということだろう。

 納得できることももちろんあるが、内向型がリーダーに向いているという点は同意しかねるところである。チャプター26の記述は確かにそういうこともあると思うが、かといって、それで優れているかというとそうだとは思えない。個人的にはリーダーより参謀が静かな人にとってはより適役ではないかと考えている。

 内向型であってもやり方次第でリーダーにもなれると背中を押してもらった気分はする。世界に半分ぐらいいる内向型の人々への応援書

*日本語版への序文* 控えめで強力な静かな力

口数は少なくても誰もが耳を傾ける→他人に貼られたレッテルで自分の可能性を狭めない

*はじめに*

内向型ならではのやり方がある

*イントロダクション* 鎧を脱いで身軽になる

無理に元気いっぱいになる必要はない→自分を知り、自分を見失わずに自分らしくある

〇パート1 静かな人の仕事の戦略 冷静沈着に戦略思考を生かす

<チャプター1> はったりはいらない

情報集めと練習がモノを言う→不意打ちには慌てず落ち着いて対処する→控えめな態度が信頼感を生む→自分以外の何者かにならなくていい→自分らしく内向的な性格のままで生きていこうと決める☚覚悟する

<チャプター2> 戦略的に得意なことで勝負する

<チャプター3> 核心の能力を集中的に磨き上げる

脳が即座の反応には向いていない(じっくり考える傾向、長期記憶に頼る傾向)→外向型になろうは得策ではない→死ぬこと以外の苦労は人を強くする

<チャプター4> 独特の脳の特徴を武器にする

静かな人の能力は見えにくい→観察者で、リーダーで集中力がある→一人になることで静かに充電する→冷静に小さなミスを見つけ出せる→生まれつき異なる脳の構造

<チャプター5> 自分を現実的に見つめ受け入れる

自分は何に重きを置いているのか?

自分に合った仕事を考える4つの質問

①大きくなったら何になりたいと思っていたか?

②どんな仕事に魅力を感じるか? 

③生まれつき才能に恵まれていることは何か?

④どんなものに憧れるか?

自分が最も価値を生み出せる仕事を見つける(やりやすいとは限らない)→コミュニケーション不要の仕事はない→自分にぴったりの仕事を見つけるか、仕事に合わせて自分を変えるしかない

<チャプター6> ストレスフリーで新しい環境になじむ

新しい環境では多くの困難に直面する

①新たな仲間を作るのが難しい(内向型は人の外見を覚えるのが苦手)

②オープンな空間ではプレッシャーが増す

③気になるけど訊けない

④不意に意見を求められると緊張してしまう

なじむために必要な3つのこと

①仲間をみつけること→まずは一人と仲良くなる→一番親切そうな愛想のいい人を頼る→一対一もしくはそれに近い方が人と知り合うには効果的→質問が明確であればあるほどすんなり助けてもらえる

②仕事の能力を示す

③明確な成果を出す

〇パート2 静かな人の人間関係術 深く聞く力で人を魅了する

<チャプター7> 仕事の戦場で味方を増やす

友人のハードルを極めて高く設定することで多くの人を除外してしまう

<チャプター8> 落ち着いてもめ事をさばく

気まずい雰囲気を察してしまう

もめ事をさばく4つの方法

①ひと息ついて戻ってくる

②思いやりを持って相手の話を聞く

③コミュニケーションのチャンスにする

④引き下がらない→直接話すだけで問題は簡単になる→歩き回って個別に話す

<チャプター9> 他人の感情にいちいち振り回されない

内向型は他人の感情に影響されやすい→あえて強い態度に出なくてもいい(怒鳴り返すのはかえって逆効果になることが多い)→一歩引いて参戦を遅らせる→内向型の怒りの表現は露骨ではなく目立たないだけ→自分の感情や考えを表に出さず黙してやり過ごしていると長期的な人間関係にはマイナス→自分の立場をはっきりと示す→自分が伝えたい情報を相手に十分理解させること→好かれるより信頼関係が大事→相手の強みを生かす

<チャプター10> 電話は難敵にも味方にもなる

発信者識別アプリを使う→どのくらい時間があるか最初に伝える→準備した内容に沿って話す→自分のペースを意識する→改めて返事をすると伝える→メールやメッセージを併用する

オンライン会議はカメラを確認し話題を用意しておく→資料を前面に出す→進んで議事録をとる

<チャプター11> 交渉を成功させるカギは聞く力

傾聴力がる(内向型は真のニーズに注意を払う)→深い関係を築ける(長期的な深い関係を結ぶのが得意)→分析力が高い(顧客のことを徹底的利リサーチしニーズに耳を傾けそれに応える)→静かな人が最も周到なことは多い

<チャプター12> 出張での力の浪費を最小限に抑える

準備で氣持ちに余裕を持たせる→いつでもどこでも安心スペースをつくる

<チャプター13> 外向型文化のなかでバックハンドで戦う

二つの性質は異なるが互いに惹かれあう→正反対の人とうまくやっていく(遂行能力を発揮し敬意をはらう、ユーモアを挟む、苦戦する仲間に手を差し伸べる)→異文化を受け入れる→内向型は自分を売り込むのが苦手で自分の利益のためには奮闘できなかったりする

内向型の利点

深く考えることができる→危険回避、エネルギー節約、失敗を減らす=生存戦略

話を聞くのがうまい→不思議なほど他人の考えやニーズがよく分かる

一つのことに集中できる

粘り強い→グリット(やりぬく力)

〇パート3 静かな力を人前で生かす 完璧な準備で質の高い仕事をする

<チャプター14> 長所を生かせばイベントは楽勝である

闘いの場を慎重に選ぶ→出席理由を自分の中で明確にする→どういう氣持ちで臨めるか→入念に準備する→あえて前に出る(ステージの近くに座る)

<チャプター15> そもそも本当に行く必要があるのか?

行かないという選択肢も検討する→参加するなら前向きになる→無理のない具体的な目標を設定する

<チャプター16> 勝敗は始まる前に決している プランを完璧に用意する→体調に氣をつける→人を知るには己を知る(なぜを語る)→たくさんの人と話さなくていい→脱出口を確保する→自分を演出する

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